2017年8月30日・29日の2日間で、宮城県石巻市で開催されているリボーンアートフェスに行ってきました。
1日目の記事はこちら。
fewpoco.hatenablog.com
出発
前日に朝は飲食店はやっていないことを学んでいたのでコンビニで食料を確保。
公式サイトを読むと山道を歩くようなので、甘いものも用意しました。
石巻駅前は晴れていますが、お天気アプリの雨雲レーダーを見ると半島の先の方には雨雲があるようです。折りたたみの傘とウィンドブレイカーもリュックに入れました。必要のないお土産などの荷物は駅のコインロッカーにしまいます。
8:30にバスは出発。目的地・牡鹿公民館前バス停には9:58着予定。約1時間半のバスの旅です。
建設中の防潮堤はその向こうの景色をないものにしてしまう。美しい海や山があるはずなのに。
石巻市では7メートルを超える津波があったそうだが、この高さで足りるのだろうか。次の地震で発生する津波も同じ高さなんだろうか。単に風景を破壊しているだけではないのか。偉いひとが考えているんだからこれでいいんだろうか。でも偉い人が絶対安全だって言ってたものもあったよな、などと考える。
エリアD
運賃は1460円。路線バスで払った金額ではもっとも高いです。
牡鹿公民館前でリボーンアートバスに乗り換え。10:00発となっていますが、路線バスの到着を待ってくれるので焦らなくても大丈夫。
のり浜でリボーンアートバスを降りると小雨。本降りではないので傘をささなくてもギリギリ大丈夫です。
レストハウス牡鹿。アートフェス作品ではありませんが、壁面にペイントがされています。
のり浜
公式サイトで「トレッキング装備できてね♡」と案内している意味を理解する。
リボーンアートバスも50分間隔となっていて、そんなに時間かかるのかなぁと思っていたんですが、のり浜まで行って戻るだけで20分くらいはかかりそうなので妥当なダイヤでした。
しかし、苦労して着いた砂浜は美しかった。
島袋道浩「起こす」
SHIMABUKU ( http://www.shimabuku.net/news.html ) より引用。
起こす。
倒れているものを起こす。
浜辺に横たわっている木や石を起こす。
牡鹿半島の先端、海の向こうに金華山が見えるノリ浜で。たくさんの人たちと一緒に、たくさんのものを起こしてみる。
倒れた大きな木もみんなで起こそうとがんばってみる。
そうすると人々の心の中にも何かが起きあがってくるだろう。
私も小さな木ですが、起こしてみました。
妙なやってやったぜ感があります。
コバルト荘跡地
宮島達男「時の海-東北」
クラウドファンディングを利用して制作された作品。
数字をカウントするLEDは亡くなられた方々の「永遠の命の光」を表しています。
LEDは9〜1をカウントし、0は表示しません。0は死を意味するが、再びカウントがはじまる。つまり0は次の生への準備期間となっているわけです。
Sea of Timeは宮島達男のデビュー作であり、代表作。直島にも同名の作品があります。
静謐な空間に時が経つのを忘れます(ツリーハウスを観る時間がなくなってしまった)。
増田セバスチャン「あっちとこっち #東北」
上に登れたんですが、天気が悪い・おばちゃん軍団襲来・時間がないの3拍子だったのでパスしてしまいました。
ホテルニューさか井
コバルト荘跡からホテルニューさか井までは徒歩で移動。
10分かからないくらいで到着。
案内がないのでフロントで聞くと丁寧に教えていただきました。さすが老舗ホテル。
5階の2部屋と屋上に作品があるとのことなのでエレベータで移動。
増田拓史「みれなかったものがみえたとき」
部屋の中には5脚の椅子。窓からは金華山が見えます。
窓は90秒ごとに白く不透明になり外が見えなくなります。それぞれの椅子に座ると海だけだったり、金華山と海だったり、見える風景が変わります。アーティストが地元の漁師さんに話を聞いた際に、震災直後は「海が見られない」と言っていて、時間が経っても「今日は見たくないな」という日があるということに着想を得て作成したそうです。
エリアC
牡鹿ビレッジ〜リボーンアートダイニング
リボーンアートフェスのシンボル・白い鹿への入口はこんなところ。
ここも防潮堤建設中です。
デビッド・ハモンズ「ストリート・パフォーマンス」
意味のわからなさ100%。
工事の音がするので見に行ってみるとワゴンに工事現場の映像が流れている。石巻のものであればなるほどと思うんですが、海外のもの。なんだこれは。
鈴木康広「ファスナーの船」
足漕ぎボートになっていて、波ができるとファスナーを開けているように見えるのを狙った作品。
乗船することができるそうですが、桟橋が壊れていて乗れそうになかったです。
名和晃平「White Deer(Oshika)」
意外に大きい。そしてカッコイイ。
みなさん写真を撮るために群がってました(笑)
リボーンアートダイニングの前でとうもろこしを食べるおばちゃん3人。
今回の旅行で一番のお気に入り写真です。
宮永愛子「海は森から生まれる」
ブイが卵のようで、本当に生まれてきているよう。
森と海の関係をうまく表現しているし、旧観慶丸商店1階の作品との対比が面白い。あちらは和室に置かれていて養殖を。こちらは自然の海を表現しているのかな?と思いました。
桃浦バス停付近
リボーンアートバスを降りてすぐのところにファブリス・イベールの作品があります。
野菜を育てているんですが、それは「ボーン」であって「リボーン」ではないのでは。いや別にテーマに沿っていなくてもいなくていいんですが、単純に面白くないです。
荻浜小学校
休校中の小学校。
今回のアートフェスで一番良かったです。
平井慶祐「食べモノの先っちょにある風景」
屋上にあります。小学生の頃は屋上にあがるのは特別なイベントだけでした。
ダイナミックな漁師さんたちの写真作品が良かったです。
富松篤「牡鹿に棲まうもの」
流木で作られた鹿と鳥。
いまにも動き出しそうなリアリティがあります。
洞仙寺前
ギャレス・ムーアとChim↑Pomの作品があります。
荻浜小学校から歩いて行ったんですが完全に失敗。小学校の作品をもっと観るべきでした。
全然面白くなくてあっさり見終わってしまったので、帰りの路線バス待ちの時間で観ればよかったな、と。
まとめ
荻浜小学校が圧倒的優勝。ここに時間を使うべきでした。
白い鹿は期待通りに綺麗。インスタグラム向き。
増田拓史の2作品もとても良かったです。
バス移動の場合はスケジュールが厳しいので、事前の予習を行い、観たいところだけをまわる方が良いと思います。
リボーン
現地に来てみると震災はまだ身近な存在だということがわかります。
いたるところが工事中で、街中の空き地は被災した住宅が建っていたのでしょう。
海沿いに行くと巨大な防潮堤。残念な気持ちにもなりますが、先に進むには仕方がないこと。
私自身の明確な「リボーン」体験は正直ありませんでしたが、美しい自然、かわいいネコ、美味しい食事とお酒を堪能して石巻が好きになりました。転職を控えていて来年は休みが取れるかどうかはわかりませんが、できることなら再び訪れてみたいと思います。