ねこだまし!

ネコとアートとカメラとわたし

名古屋伏見地下街・長者町横丁が面白い

先日、奈良美智展を観に豊田市美術館まで行ってきました。
宿泊したのは栄で夜は周辺で飲んだんですが、栄駅のお隣の伏見駅地下街がとても良かったので紹介します。

入口

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あいちトリエンナーレ2013で打開連合設計事務所が制作した「長者町ブループリント」がそのまま残っています。

通路

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内部にも作品があります。
角度を合わせると階段に見えるというやつです。

素敵な昭和感

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割れても修復。旧字体の看板。

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飲み屋と床屋というと浅草駅地下街を思い出します。

飲み屋

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通路の片側には飲み屋さんが並んでいます。

どこも良いお店ばかりだな…と思いつつ入ったのは「やいちゃん」。
看板に日本酒が書いてあるんですが、二兎があるというのが決め手。

3種盛りと二兎雄町純米吟醸と三重錦うすにごりをいただきました。
お値段は90mlで300円。180mlが500円の均一価格。

二兎はいま一番注目している日本酒。
愛知県岡崎市にある丸石醸造がつくっています。
山田錦、雄町、出羽燦々と飲んでみましたが、それぞれお米の特徴を引き出していて美味しいです。
個人的には出羽燦々が一押し。


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つまみは3種盛りで500円。
しかも量が多い。

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圧倒的に安い!そして美味しい!
前日に立ち飲み 飲み放題のお店で大失敗(品揃えとコスパの悪さ)していたのでリベンジ大成功でした。
名古屋に行く際には必ず寄ろうと決めました。

あいちトリエンナーレ2016オフィシャルガイドブック (ぴあMOOK)

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FUJIFILM ミラーレス一眼 X-T2 ボディ X-T2-B

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黄金町バザール2017に行ってきました

www.koganecho.net

コンセプト

黄金町バザール』は、横浜市中区黄金町エリアでアートによるまちの再生に取組む、NPO法人黄金町エリアマネジメントセンターが主催するアートフェスティバルです。「街」という日常の空間を舞台に、2008年より毎年秋に開催し、国内外のアーティスト、キュレーター、建築家を招聘してきました。『黄金町バザール』の開催をきっかけに、若手クリエイターの実験の場として街を開放し、地域コミュニティに新たな可能性が生み出されることを目指しています。

展示エリア

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日の出町駅から黄金町駅にかけての高架下とその周辺が展示スペースになっています。
昔のちょんの間街です。

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チョウ・チーファ「Hotel Shalimar」

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インドのホテル従業員の日常をユーモラスに描く。

キュンチョメ「ここでつくる新しい顔」

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個展「暗闇でこんにちは」で発表した作品の記録映像。
来場者が目隠しをして、難民と一緒に顔を作る(要するに福笑い)。
会期中に難民は何度も顔を作るので、手探りの来場者とは違い作業に慣れていく。そして作成をリードしていく。日本における難民は少数派のゲストであるが、この空間では立場が逆転していた、という作品。

難民問題はアイ・ウェイウェイ横浜トリエンナーレで取り上げているが、直球ではないこちらの作品の方が考えさせられる部分が多い。

空族+スタジオ石+YCAM「潜行一千理 GOLD」

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映像インスタレーション
東南アジアの喧騒がバシバシ襲ってくる。

人見紗操「Hyper Lucky Fortune Telling」

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路地に大漁旗
その先のギャラリーにはポルトガルで音楽家とタイル職人が未来を占う映像作品。

チョン・ボギョン

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手仕事を続ける人々の制作品を展示。
竹の熊手が美しかった。

宇佐美雅浩「Manda-laプロジェクト」

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福島、広島、大阪、秋葉原…。それぞれの場所を象徴する写真作品。
人々の歴史や生活があふれるくらいに詰め込まれていています。ちなみに合成ではありません。
今回一番良かった作品群です。


9月15日からは展示作品が増えるので、横浜トリエンナーレで訪れた際にはぜひ黄金町まで足をのばしてみてください。

仮想のコミュニティ・アジアー黄金町バザール2014 ドキュメント

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  • 作者: 黄金町エリアマネジメントセンター
  • 出版社/メーカー: 黄金町エリアマネジメントセンター
  • 発売日: 2016/05/01
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横浜黄金町パフィー通り (文芸書)

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リボーンアートフェス2017に行ってきました(2日目 牡鹿半島編)

2017年8月30日・29日の2日間で、宮城県石巻市で開催されているリボーンアートフェスに行ってきました。

1日目の記事はこちら。
fewpoco.hatenablog.com

出発


前日に朝は飲食店はやっていないことを学んでいたのでコンビニで食料を確保。
公式サイトを読むと山道を歩くようなので、甘いものも用意しました。

石巻駅前は晴れていますが、お天気アプリの雨雲レーダーを見ると半島の先の方には雨雲があるようです。折りたたみの傘とウィンドブレイカーもリュックに入れました。必要のないお土産などの荷物は駅のコインロッカーにしまいます。

8:30にバスは出発。目的地・牡鹿公民館前バス停には9:58着予定。約1時間半のバスの旅です。

建設中の防潮堤はその向こうの景色をないものにしてしまう。美しい海や山があるはずなのに。
石巻市では7メートルを超える津波があったそうだが、この高さで足りるのだろうか。次の地震で発生する津波も同じ高さなんだろうか。単に風景を破壊しているだけではないのか。偉いひとが考えているんだからこれでいいんだろうか。でも偉い人が絶対安全だって言ってたものもあったよな、などと考える。

エリアD


運賃は1460円。路線バスで払った金額ではもっとも高いです。
牡鹿公民館前でリボーンアートバスに乗り換え。10:00発となっていますが、路線バスの到着を待ってくれるので焦らなくても大丈夫。

のり浜でリボーンアートバスを降りると小雨。本降りではないので傘をささなくてもギリギリ大丈夫です。


レストハウス牡鹿。アートフェス作品ではありませんが、壁面にペイントがされています。

のり浜

公式サイトで「トレッキング装備できてね♡」と案内している意味を理解する。
リボーンアートバスも50分間隔となっていて、そんなに時間かかるのかなぁと思っていたんですが、のり浜まで行って戻るだけで20分くらいはかかりそうなので妥当なダイヤでした。
しかし、苦労して着いた砂浜は美しかった。

島袋道浩「起こす」

SHIMABUKU ( http://www.shimabuku.net/news.html ) より引用。

起こす。
倒れているものを起こす。
浜辺に横たわっている木や石を起こす。
牡鹿半島の先端、海の向こうに金華山が見えるノリ浜で。

たくさんの人たちと一緒に、たくさんのものを起こしてみる。
倒れた大きな木もみんなで起こそうとがんばってみる。
そうすると人々の心の中にも何かが起きあがってくるだろう。

私も小さな木ですが、起こしてみました。

妙なやってやったぜ感があります。

コバルト荘跡地

宮島達男「時の海-東北」

クラウドファンディングを利用して制作された作品。
数字をカウントするLEDは亡くなられた方々の「永遠の命の光」を表しています。
LEDは9〜1をカウントし、0は表示しません。0は死を意味するが、再びカウントがはじまる。つまり0は次の生への準備期間となっているわけです。
Sea of Timeは宮島達男のデビュー作であり、代表作。直島にも同名の作品があります。
静謐な空間に時が経つのを忘れます(ツリーハウスを観る時間がなくなってしまった)。

増田セバスチャン「あっちとこっち #東北」

上に登れたんですが、天気が悪い・おばちゃん軍団襲来・時間がないの3拍子だったのでパスしてしまいました。

ホテルニューさか井

コバルト荘跡からホテルニューさか井までは徒歩で移動。

10分かからないくらいで到着。
案内がないのでフロントで聞くと丁寧に教えていただきました。さすが老舗ホテル。
5階の2部屋と屋上に作品があるとのことなのでエレベータで移動。

増田拓史「みれなかったものがみえたとき」

部屋の中には5脚の椅子。窓からは金華山が見えます。
窓は90秒ごとに白く不透明になり外が見えなくなります。それぞれの椅子に座ると海だけだったり、金華山と海だったり、見える風景が変わります。アーティストが地元の漁師さんに話を聞いた際に、震災直後は「海が見られない」と言っていて、時間が経っても「今日は見たくないな」という日があるということに着想を得て作成したそうです。

Yotta「ヨタの青空カラオケ

金華山に歌を奉納するというコンセプト。
到着した時には雨でビニールシートのカバーがかかっていたんですが、その後は天候が回復。おばあちゃんたちが元気に歌っていました。楽しい。

金華山は晴れている時に見たかったですね。

ファブリス・イベール「ベシーヌの人」

おもしろ噴水。もしくは小便小僧。
このアートフェス、全体的に海外アーティストの作品は面白くないです。

番所公園

草間彌生「真夜中に咲く花」

時間がないので通過しようと思っていたんですが、リボーンアートバスの運転手さん(ホテルニューさか井の従業員さんです)が「ちょっと待っているから写真だけでも撮ってきたら」と言ってくれたので撮ってきました。

鮎川バス停付近

路線バスが来るまで時間があるので、震災の時に街の人々が避難した石巻市役所牡鹿総合支所へ登ってみました。
空き地になっている場所には、津波が来る前は家々が建っていました。

ギャレス・ムーア「トランクルーム」

鮎川で収集した品々をあちらとこちらの境界である門に展示して…かと思ったら石巻市街地のリサイクルショップで買ったものだそうです。なんだかな。

エリアC

はまさいさい

リボーンアートバスで桃浦に移動してはまさいさいで昼食。

サバのみりん干しが売り切れてしまったのでシイラのフライに変更。むしろこっちの方が美味しかったかも。

牡鹿ビレッジ〜リボーンアートダイニング

リボーンアートフェスのシンボル・白い鹿への入口はこんなところ。

ここも防潮堤建設中です。


デビッド・ハモンズ「ストリート・パフォーマンス」

意味のわからなさ100%。
工事の音がするので見に行ってみるとワゴンに工事現場の映像が流れている。石巻のものであればなるほどと思うんですが、海外のもの。なんだこれは。

鈴木康広「ファスナーの船」

足漕ぎボートになっていて、波ができるとファスナーを開けているように見えるのを狙った作品。
乗船することができるそうですが、桟橋が壊れていて乗れそうになかったです。

名和晃平「White Deer(Oshika)」

意外に大きい。そしてカッコイイ。
みなさん写真を撮るために群がってました(笑)

リボーンアートダイニングの前でとうもろこしを食べるおばちゃん3人。
今回の旅行で一番のお気に入り写真です。

さわひらき「燈話」

オブジェと映像のインスタレーション作品。
ヘルメットがないと洞窟部分に入れないので結構待たされました。

宮永愛子「海は森から生まれる」

ブイが卵のようで、本当に生まれてきているよう。
森と海の関係をうまく表現しているし、旧観慶丸商店1階の作品との対比が面白い。あちらは和室に置かれていて養殖を。こちらは自然の海を表現しているのかな?と思いました。

桃浦バス停付近

リボーンアートバスを降りてすぐのところにファブリス・イベールの作品があります。
野菜を育てているんですが、それは「ボーン」であって「リボーン」ではないのでは。いや別にテーマに沿っていなくてもいなくていいんですが、単純に面白くないです。

荻浜小学校

休校中の小学校。
今回のアートフェスで一番良かったです。

鈴木省一「いしのまきのあさ」

青で統一された石巻の朝を撮った写真。
美しい。

平井慶祐「食べモノの先っちょにある風景」

屋上にあります。小学生の頃は屋上にあがるのは特別なイベントだけでした。
ダイナミックな漁師さんたちの写真作品が良かったです。

乃村工藝社「牡鹿の望遠鏡」

牡鹿半島の形に組まれた筒の中には各地のメッセージが書かれています。

富松篤「牡鹿に棲まうもの」

流木で作られた鹿と鳥。
いまにも動き出しそうなリアリティがあります。

パルコキノシタ「海の帰還」

体育館にある壁画。
海から顔を覗かせる少女。防波堤には様々なひとの姿。

パルコキノシタ「います」

震災で亡くなった方々の像を彫っています。
パルコキノシタさんは、震災の慰霊碑は宗教・宗派ごとに作られてしまう。すべてのひとのための慰霊の場を作りたかったと語っていました。部屋の奥にある島と波に見える模様は津波が作ったそうです。

洞仙寺前

ギャレス・ムーアとChim↑Pomの作品があります。

荻浜小学校から歩いて行ったんですが完全に失敗。小学校の作品をもっと観るべきでした。
全然面白くなくてあっさり見終わってしまったので、帰りの路線バス待ちの時間で観ればよかったな、と。

旧桃浦小学校

洞仙寺からリボーンアートバスで移動。
また山道かよ!小学校じゃないのかよ!と思いつつ坂を下っていくと、のり浜以上の山道でした。つらい。

途中、ブルース・ナウマン「子どもたちのために」があります。
ナウマンが「for children」を繰り返している音声が流れているんですが、夜聞いたらちょっと怖いのでは。

鈴木康広「記憶のルーペ」

小学校があったこの地の記憶を巨大な誰かが探しているのかな?という作品。
しかしここに小学校があったとは。周辺の集落とは離れているし、通うのは大変だっただろうな。

朽ちてしまった地蔵堂
前の階段の真ん中から木が生えていて、自然は強いなと思わされます。

波田

さらに山道を下ると波田浜に到着します。

晴れていれば綺麗なんだろうなぁ。
浜は砂ではなく、平たい石がたくさんあります。水切り遊びには最適。

青木陵子伊藤存「浜と手と脳」

浜と森に多数の作品が展開されています。
バスの時間があるので観きれなかったのが残念。とはいえバスは遅れてきたんですが…。
満員のバスは渋滞にハマって帰りの仙石線に間に合うか微妙だったんですが、発車3分前に到着。
コインロッカーから荷物を出す時に、ここにいたのは遠い昔のようだななんて思いました。

まとめ

荻浜小学校が圧倒的優勝。ここに時間を使うべきでした。
白い鹿は期待通りに綺麗。インスタグラム向き。
増田拓史の2作品もとても良かったです。

バス移動の場合はスケジュールが厳しいので、事前の予習を行い、観たいところだけをまわる方が良いと思います。

リボーン

現地に来てみると震災はまだ身近な存在だということがわかります。
いたるところが工事中で、街中の空き地は被災した住宅が建っていたのでしょう。
海沿いに行くと巨大な防潮堤。残念な気持ちにもなりますが、先に進むには仕方がないこと。
私自身の明確な「リボーン」体験は正直ありませんでしたが、美しい自然、かわいいネコ、美味しい食事とお酒を堪能して石巻が好きになりました。転職を控えていて来年は休みが取れるかどうかはわかりませんが、できることなら再び訪れてみたいと思います。